これから登ると話されるみなさまの表情は、不安というよりは期待に満ちた表情。
私も山が好きなので、仕事中に山の話ができるなんて最高なのですが、話を聞いていたことで、自分も行きたくって行きたくって仕方がなくなりました。
近くにいてもなかなか私には遠い山です。
昨年は一度も白馬岳には登っていません。
2連休は無理でも、1.5休あれば泊りで登れますが、それも難しいところ。
悩みましたが、今年は晴天も続いていますし、二年ぶりの白馬岳、行けるかどうかは別としてもやっぱり行けるところまででも行っておきたい。
そう思って登りに行きました。
二年前の白馬登山(日帰り)
白馬岳登山案内【1】
白馬岳登山案内【2】
白馬岳登山案内【3】
8月4日
朝4時起き!!(15分寝坊)
前日の夜も仕事でしたが、ギリギリ午前様にならずに終わらせて帰りまして、準備して迎えた8月最初の土曜日です。
朝、コンビニでコーヒーを買おうとしていた際に、情報が入りました。
4:30現在、猿倉駐車場満車
車は二股臨時駐車場または第五駐車場へ
それを見たのが5時頃です。
いきなり出ばなをくじかれました。
自家用車で猿倉まで入れないと、路線バスかタクシーで行くしかありません。
すると当然帰りも路線バスかタクシーです。
下山する時間が遅くなると確実にタクシー
また、猿倉まで入るにも路線バスは6時をすぎないと動かないので、5時代だと確実にタクシーで向かうことになります。
★お金のチェック(タクシー代往復、片道一台3000円ほど・第五駐車場から)
★行動計画の変更
二股の臨時駐車場まで入って行くのも手段の一つでしたが、タクシーがつかまりやすいだろうと、第五駐車場を選択。
ただ、待っていてもタクシーがつかまらず、結局タクシー会社に電話して呼びました。
携帯電話にタクシー会社の電話番号入れておきましょうね。

おびなたの湯がある二股でこの表示が出ていて、自家用車はここでとめられます。
7月の海の日の連休も猿倉駐車場が満車になったのですが、それ以来の満車。
あれ、海の日の後にも二度ほど週末がありましたが満車にはならなかったのでしょうか?
そういえば先週末は台風でしたしね・・・。
猿倉が満車と知らずに入っていくと、二股のこの場所で係から選択を迫られるはずです。
@この左に入った臨時駐車場(無料)に停めて、ここからバスまたはタクシー
A第五まで戻って、バスまたはタクシー
第五から三人の相乗りで猿倉へ入りました。
写真に記録された時間で見ると

猿倉 5:43
猿倉はもっと早い時間から賑わっていたのでしょう。
シーズンですものね。
でも、私と違うのは・・・・みなさん今夜は山の上に泊るんだろうなぁという所。
羨ましくもあり、私にはそれができない分、みなさん楽しんできてくださいという気持ちもあり。
自分が二年前に登ったときのコースタイムは覚えておらず、歩き終わった時点で登山開始から12時間かかったという印象だけを持っていました。
きっと今日はそれよりも猿倉に到着したのが遅いんだろうから、まずは歩きましょう。
多くの登山者が山へと向かう中、私も一人、歩き出します。
猿倉荘から登山道を少し進むと林道に出ます。
林道も大勢の登山客が歩いています。
進むこと10分ほど、わかってはいましたが、開けるこの景色

時計は6:00
行けたらあの山の上まで、この足で頑張るわけです。
ここから空を飛んだら山頂まで何分くらいなんだろう??
歩き出し早々からそんな弱気な私です。

登りながら、確か二年前の登山の際に、このあたりで朝の写真を撮ったなぁ。
そんなうろ覚えながら、御殿場のすぐ手前の様子です。
朝のオレンジ色にも感じられる日の光の中で、まず目指すは白馬大雪渓です。

登山道わきの植物の草丈がだいぶ高くなっています。
秋にかけて植物は背が高くなりますが、今年は例年よりも気温が高い証拠でしょうか?
ただ、見上げれば雲一つない青空が広がっていました。
一歩ずつ、無理せず登りましょう。
まだ朝食も食べていませんものね。

そうしてやってきた白馬尻です。
6:37
お手洗いと朝食タイム。
コンビニで前日の夜からおにぎりが売切れていて、当然朝も未入荷だったので、今回の山はパンです。
食べている間にも多くの方が登ってきて、出発して、記念写真を撮って
いいなぁ。賑わっています。

こんなにいい天気ですもの、みなさんのテンションが高いのもよくわかります。
自分だってこの天気に来られたことが一番うれしい。
写真ではわからないかもしれませんが、この場所から大雪渓を登っていく登山者の姿がわずかに見えていました。
6:55
朝食を済ませて登りだします。
オオレイジンソウやミソガワソウが迎えてくれましたが、この花はあるかな??
ちょっとだけ見られることを期待していたキヌガサソウはすっかり姿を消していました。

7:03
大雪渓ケルンが見えてきます。
この写真でケルンがわかりますか??
写真中央の一番下の青い服を着た登山者の右側の白いものが大雪渓ケルンです。
7:05

ケルンのすぐ先から大雪渓に出ることになります。
今回アイゼンなしで登りました。
そのかわり、ストックは一本持ってきています。
ただ、登りではストックも使わずで身軽にいきます。

いざ、雪の上に出るとそこでは想像以上に涼しい風が流れていて、あまりの涼しい風に笑顔になりました。
長さ2kmもあるのでしょうか??
標高差600mというスぺック、日本一の雪渓です。
天気予報で気温が高くなると見ていましたので、いつ、どのタイミングでガスが湧いてくるかを心配しながら歩きました。
大雪渓下部から一度急な登りになり、その後緩やかになってから、後半はまた急坂へ
大雪渓の斜度は一定ではありません。
疲れたら止まって涼んで。
その繰り返しで登ります。

前の人が小さくみえます。まだまだ登るのでしょうか。
右手の雪渓の支流、二号雪渓からは土砂が流出してきていました。
また、写真中央の山が杓子岳なのですが、その上にわずかにお月さまが出ているのが見えますでしょうか??
大したことでもないのかもしれませんが、ちょっと得した気分。
前を登る人の姿は小さく見えましたが、振り返って後ろを見ると、登って来る人が小さく見えるから、どっちもどっち。
それだけ登ったんだなと、自己満足しながら登ります。

遠くの山はまだ朝の雰囲気を醸し出していまして、あぁ、まだ早い時間なんだなと。
その割にはこんなにたくさんの登山者がいるので、私の中ではあまり早朝の雰囲気ではありませんでした。
大雪渓上部、終わりが見えているところで、上部に向かって右手側に向かってロープが張ってあり、いわゆる「秋道」に誘導されます。

白馬岳側に作られた登山道へ入ります。
ここで白馬大雪渓の登りは終わり。
8:20
白馬大雪渓は1:15ほどの登りでした。

秋道って結構大変なんです。
まだ登りだからいいのですけどね。
岩に◎マークが書かれていますので、それを目印に足を運びます。
山は雪どけのシーズンで水が豊かなはずですが、白馬岳でもしばらくの間雨が降っていないんでしょうね。
登山道がからからに乾いているではありませんか!!
土埃がたつほど乾いていて、草花は大丈夫かなと余計な心配をしながら登ります。

登山道が乾いて真っ白に見えますでしょう?
写真の中央やや左に大きな岩が写っていて、秋道はそこまで、岩の場所から葱平(ねぶかっぴら)が始まります。
この岩の下は「岩室跡」というポイント
落石注意と書かれた登山道を安全第一で歩いていきます。

登山シーズンの早い時期に大雪渓を登ると、葱平のこの階段のところに大雪渓からの登山道がぶつかります。
(今年は7/30から秋道を使うようになったそうです、年々秋道への切り替えが早くなってきているような・・・)
葱平とかいて「ねぶかっぴら」
過去のブログでも書いたことがあると思いますが、この葱平は私が苦手な登りです。
理由はいたってシンプル。・・・・だって、急なんですもの。

花は結構咲いているんです。
でもそれ以上に登るのが急。
足元に石がごろごろしていますので、万が一落石でも起こすと危険です。
この日みたいに登山者が多いとちょっと怖いです。
8:45
疲れたら止まりましょう。
そしておもむろにカメラを出して写真を撮りつつちょっと休憩
花を撮る、景色を撮る、そして振り返った大雪渓の様子を撮る。

8:50
大雪渓は良く見えます。
列になって多くの登山者が登ってきています。

花が少しずつ減るとともに、岩がごろごろし、雪どけの水が登山道を流れるようになってくると、葱平も終盤です。が、急なのは変わりません。
登山道の緑はなくなっても、登山道わきではちょっとしたお花畑のような景色が広がります。
黄色に白に、緑の中のカラフルな花たち

色とりどりな花、きれいです。
葱平上部までくると、杓子岳の形が変わります。
とんがった槍状の岩が目に入ってきます。

この後その槍状の岩よりも高いところまで登るんだなぁと思うとちょっと滅入りますが、滅入るよりも登りませんと。
葱平から小雪渓へ

9:06
小雪渓のトラバースはもうありません。
写真に写っている岩を時計回りにぐるりと右へ回っていって、小雪渓の下の部分を通過していきます。
濡れて滑りやすくなっている箇所。
ただ、私としてはあまり得意ではない葱平が終わって、この後は避難小屋から水場を通ってお花畑に続くと思うと、無い元気が湧いてきました。
そうそう、小雪渓のあたりでニホンザルの群れを見かけました。

ニホンジカも入ってきているところがあるそう。
いけないいけない、難しいことは考えない
歩みは遅くなってきていたかもしれませんが、ここからお花畑へ
白馬岳のこのコースは見どころの多いルート。
景色がどんどん変わっていくのも魅力の一つです。
9:20

避難小屋
杓子の槍もいよいよとんがってきました。
花が増えてきた頃。
登山道におっこちている昔の痕跡

かつて白馬尻から山の上にリフトを掛けようとしていたのか、掛かっていたのか、どっちなのかわかりませんが、そのリフトの痕跡です。春の白馬尻の小屋の対岸あたりにも、その当時の支柱が見えますよ。
燕岳登山の際にも見られますが、中房温泉から合戦小屋に資材を上げるリフトがありますが、同じようなものでしょうか??
9:30
水場までやってきました。

冷たい水の補給。
600mlのペットボトルを持ってきていて、登山開始からこの場所で一本目が終了。
さらに冷たい水を飲んで、お花畑を目指します。
9:38

お花畑岩
すでに森林限界を超えています。

景色がいいという一言で表せない、その場所独特の空気があります。
花の様子はまた別記事で入れますが、すでにミヤマトリカブト(紫)やらキオン(黄色)が咲いていて、私、黄色と紫の組み合わせ好きです。

何の花が咲いているかな?
そんなことを見ながら登りました。

9:50
お花畑の象岩
岩の上から振り返るお花畑と杓子

杓子の屋根のような主稜線がいよいよ見えてきました。
この先はもうひと登りあります。

雲も出てこないままで登れています。
緑も鮮やかな中で、正直余裕はありませんがここまで来たら行くしかありませんね。
ゆっくり登りましょう。
それにしても花が多い。
白馬ばかり登っていたらそれが当たり前に思ってしまうかもしれませんが、こんなにずっと花が咲いている山って、他には多くありません。
前見ても、右見ても、もちろん左にも
花、花、花

花の名峰の名は伊達じゃありません。
イブキボウフウも一面に咲いていたりして。
これが白馬岳の当たり前??
杓子だけの槍もほぼ目線にとらえています。

その奥には白馬鑓も見えてきました。
そして、わかりますかねー、この奥の下界に写っているモノ・・・・。
ホテルというよりは白馬ハイランドスキー場と、その下にホテルが見えているんです。
みんなは今頃何をしているんだろう。そんなことを思いながら歩きます。
10:20
まわりの花の様子が少しずつ変わってくる中で、村営の白馬岳頂上宿舎に到着しました。

ここから山頂までの様子は明日にいたします。
続く
【後編はこちらからどうぞ】
足は筋肉痛・・・・
とみしん