こんにちは
ハイランドの生き物好き、たくちゃんです
今の時期、僕がまわりの人たちによく言われるセリフがこちら
「今の時期って虫いるの?」
確かに、グリーンシーズンと比較すると数は少なくなりますが
でもでも、全くいないというわけでもないんです
むしろ、冬が終わりに向かうこの時期だからこそ見られる虫たちもたくさんいるんですよ
今回はそんな生き物の一つを紹介いたします
というわけでやってきたのはこちら

松川沿いにある小径です
例年ならまだ雪が深くて入りにくい場所ですが、今年はそんな心配もなさそう
意気揚々と進んでいくと雪の上に小さくて黒い点々がたくさん動いていました
近くでよく見てみると…

なんととっても小さな虫でした
トビムシの仲間「ツチトビムシ」です
トビムシの仲間は名前の通り、跳ぶのが上手な生き物
ノミと似た体の構造をつかって、もの凄いスピードでジャンプができるんです
あまりに早すぎて人間の目では瞬間移動をしているように見えるくらい
しかし残念ながら今回の目的は彼らではありません
ターゲットを求めてさらに奥へと進んでいきます

雪の量も多くなってきました
このあたりなら見つかるかなぁ
足を止め、あたりをキョロキョロしていると

おや、また雪の上を歩いてるやつがいるぞ

見つかりました!
今回のターゲット「セッケイカワゲラ」です
彼ら、カワゲラという昆虫の仲間なのですが
他のカワゲラたちとは全く異なる点が二つあります
一つは他の昆虫たちが活動できない「氷点下のなかでも生きられること」
そしてもう一つは「翅(はね)が生えていないこと」です
本来、昆虫という生き物は4枚の翅をもっているものがほとんどですが
彼らはその翅を捨て、地面を歩くことを選んだようです
ただ、中には翅を捨てきれない子もいるらしく…

こんな姿の子も見られたりします
でも飛びません、そこは譲れないようです
彼らが飛ぶことを捨てた理由は諸説ありますが
天敵に見つからないため、氷点下のなかで無駄にエネルギーを使わないためなどと考えられています
そしてこの子たち、じーっと観察していると
どうやら全員、ある場所を目指して一直線に歩いています
その場所は、松川の上流です
彼らはもともと松川の上流域で生まれました
卵から孵り、幼虫になって、成虫になる
その間に川の激しい流れによって、どんどん下流に流されてしまったんですね
そしてようやく成虫になれたカワゲラたち
今度は自分たちの子供を産むため、再び上流へと向かいます
歩いて
体長わずか1cmほどの彼らにとって、それがどんなに長い旅なのか…自分には想像もつきません
だーれも知らない、小さな小さなマラソン大会
毎年ひっそり彼らを応援する、たくちゃんでした
〜スタッフ本日の一品〜
「松川じゃがいもと白エビのマヨせんべい」です
完全におつまみですね!レストランのお酒がたくさん出てくれれば幸いです